限界に達しつつある看護の現場

病院看護師の使い捨ての現状

こうして看護師の仕事、役割を述べてきたが、これだけ過酷な仕事の割には、賃金は他の職業と比べてそう高くはない。

 

看護師は、患者の命と安全を守る病院の礎である。
米国では、「看護師の質が高いと、患者を救う確率が高まり、医療事故も防止できる」と言われている。

 

我が国の医療の現状はどうか。
国の政策は、ここ20〜30年一貫して、病床規制による供給量のコントロールや、予防活動の強化を図り、費用の増大を最小限に抑える政策をとってきたのは周知の通り。

 

しかしこうした政策は、限界に達しているといえよう。
看護師が、使い捨てにされる現状から、今進行しているのは、勤務時間も不規則で、多忙でリスクの高い病院から、クリニックや、介護など比較的楽な他の職場に流れる傾向が顕著になっている。

 

これは、日本の看護師は、多くの場合、医師に依存している場合が多く、大半が、医師の指示を受けて動くのが、看護師と言う構図が見えてくる。

 

こうした現象は世界でも日本だけである。
そこには看護としての矜持や、誇りもない、ただ医師の補助的役割しかない。

 

医師とて、全てが人格者ではない。中には間違った指示をする人もいるが、それを一看護師が正すことなど到底できない相談だ。

 

そこに不満が増幅し、ストレスがたまり、うつ病になったケースが何と多いことか。
こうした旧態依然とした、先生様的悪しき伝統を失くさなくては、看護師を離職したり、転職が続くのは止められないのではないだろうか。

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