看護師不足では、病院経営は成り立たない
日本の医療界では絶対的な医師不足が続いている。このため、一部の診療科に重点化すれば、それ以外の診療科が手薄になる、といったいわゆる”もぐらたたき“現象が日常化しているのが現状だ。
一般的にはこうした医師不足が大きく取り上げられているが、もっと深刻なのは、”コメディカル“なのである。
マスコミでは、医師不足は積極的に取り上げるが、コメディカルには全く関心を持たないというのが実情だ。
それではコメディカルと言うのは何なのか? 医師以外の医療従事者の事だ。
看護師、保健師、助産婦、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、管理栄養士、理学療法士、物理療法士など多数の職種が存在しているのだ。
しかもその多くは国家資格を有するものだ。
特にコメディカルの中でも特出して不足しているのが、看護師である。
現代の病院医療が機能するためには、このコメディカルと言う各部門の専門性が必要不可欠であるといことは言うまでもない。
患者との接点に一番近い看護師の役割は、より大きいものがあろう。
医師は病気だけを見がちだが、看護師は、病気だけでなく、患者の職業や、家族など社会的背景も把握しなければならないのだ。
こうした看護師がもつ価値観こそ、患者中心のこれからの医療には必要となってくることは確かだ。
こうした現状を見れば、看護師第一主義を掲げる病院こそ、次世代の病院経営の在り方といえよう。
世論は医師不足だけを注目しがちだが、実際にはこの看護師不足が病院経営の破たんにつながっていることを知ってもらいたい。
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